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自動車業界におけるハイスピードカメラ活用・導入事例

ハイスピードカメラは衝突実験など安全な自動車を開発するために、自動車業界でも幅広く活用されています。このページでは自動車業界におけるハイスピードカメラの活用・導入事例などを紹介するので、ハイスピードカメラを検討する際の参考にしてください。

自動車業界における撮影のポイント

ハイスピードカメラは1秒間に数百~数万枚の高速で撮影し、スローモーションで観察できる特殊カメラ装置です。そんなハイスペックなカメラだからこそ撮影を行うにあたって、ポイントを押さえていなければ思うような映像が撮影できないこともあるので注意しましょう。自動車業界でハイスピードカメラを用いるのであれば、どのような現象を撮影したいのか目的を明確にすることが大切になってきます。目的に合った機材や撮影方法を行うことで、観察したい現象が撮影できるでしょう。

ハイスピードカメラで解決できること

自動車業界において、なぜハイスピードカメラを用いるのでしょうか。それはハイスピードカメラを活用すれば、衝撃衝突の瞬間映像などを鮮明に撮影できるからです。衝撃衝突などの映像を分析することで、より安全な自動車開発にも役立てることができるでしょう。たとえばスローモーションの映像で、自動車の弱い部分を把握しやすくなり、どの部分を頑丈に設計することができます。通常のカメラでは十分に分からなかった箇所も、細かなチェックが可能です。ほかにも走行試験など様々な撮影にも対応できるでしょう。

導入・活用事例

走行試験映像

※引用元:ノビテック YouTube
(https://youtu.be/UqF3hYXEYts)

車両走行の撮影を超高解像度の4Kハイスピードカメラを活用して撮影した事例です。衝突試験・走行試験などでは車体の細部まで確認するために、複数のハイスピードカメラをして同時に撮影しています。それは1台のカメラで撮影すれば、詳細な部分をチェックする際ズームしたときに解像度が不足し、破片・変形などを詳しく確認が難しいからです。

4,096×2,160ピクセル、1,000コマ/秒のハイスピード撮影を行っているため、高解像度での撮影ができるでしょう。そのため車両全体の挙動確認や、ズームでの詳細状況も1台で確認が可能です。設置も簡単になるだけでなく、設置カメラの台数も減らせるなどのメリットがあります。

ドライバーの運転姿勢解析

※引用元:株式会社フォトロン YouTube
(https://youtu.be/4qDmaJULwq8)

カメラ1台と特殊なマーカーから運転姿勢などを分析している事例です。リアルタイムで表示・出力できる簡易モーションキャプチャシステムを活用。人間工学に基づいたデータを収集することで、自動運転の開発や官能評価の定量化などに役立つでしょう。

エアバッグ展開(3D形状と温度)

※引用元:株式会社フォトロン YouTube
(https://youtu.be/80FqiDsNqnI)

赤外線のハイスピードカメラと、複数のハイスピードカメラを組み合わせて撮影した事例です。エアバックが展開する際の形状や温度を同時に観察しており、さらに展開する際の速度や加速度、体積などの解析に活用できます。安全なエアバック開発などに用いられるでしょう。

超音波ソナーの可視化

※引用元:株式会社フォトロン YouTube
(https://youtu.be/JC77POGBjBM)

自動運転を実現させるためには欠かせないセンサーの事例です。偏向ハイスピードカメラを用いれば、センサーの超音波も可視化できるでしょう。計測が難しかった音波の広がり・指向性・センサーの上方視点・横方視点など拡がり角の違いなどを分析できます。

自動車業界で利用できるハイスピードカメラ

FASTCAM Mini CX

堅牢性と使いやすさが魅力

手のひらサイズの小型軽量でありながら、高い耐衝撃性能と堅牢性をほこるハイスピードカメラです。カメラ固定用プレートと取り外しができるハンドルが付いているので、使い勝手も◎です。

暗部の撮影にもおすすめ

1920×1080ピクセルで1秒間あたり1,000コマの撮影ができます。また、ISO感度はモノクロISO10,000/カラーISO5,000。そのため、暗部の撮影であっても鮮明さが維持されます。

離れた場所からライブ画像を確認できる

無線LANのアクセスポイント経由でカメラ制御ソフトPFV4と通信接続することができます。その場にいなくてもライブ画像を見られるため、とても便利です。

データを守るCFastカード

内蔵バッテリによって、マックスで30分間ほどのカメラ駆動が可能です。また、撮影データがCFastカードへ動転送される機能を利用すれば、仮に電源が遮断されてしまうようなことがあっても、データの損失をまぬがれます。

MEMRECAM HX-7S

感度のよさが注目ポイント

「感度優先モード」が搭載されています。この機能により、カラーISO16,000・モノクロISO80,000という高い感度での撮影が可能です。明るい画像をさらに明るくできるので、かつては可視化が難しかった現象もしっかりと写し出します。

コンパクトで便利なフォルム

100×100×205mmの筐体になっており、HXシリーズと比較しても、より一層のコンパクト化が実現されています。しかも、コンパクトであるだけでなく機動性に重きを置いたデザイン設計を取り入れているため、さまざまなニーズに柔軟に対応しやすくなっています。

32ギガバイトのメモリー容量

内蔵メモリーとして、32GBまでの搭載が可能です。そのため、長時間にわたる記録や分割撮影を問題なくこなせるなど、撮影モードの自由度がアップします。また、1秒間あたり40MBの高速画像をフラッシュメモリーカードCFastに保存しておくこともできます。

Phantom VEO4K

ノーマルからハイスピードまで対応

4K解像度で1秒間あたり1,000コマ、そしてフルHDの場合は1秒間あたり2,000コマのハイスピード撮影ができる機種です。最小撮影速度については、1秒間あたり16コマになっています。もう少し速度をアップさせたい場合には、24コマ・30コマ・60コマでの撮影が可能です。

「高画質」「低ノイズ」「ハイダイナミックレンジ」3拍子そろっている

高画質で低ノイズ、さらに従来よりも向上したダイナミックレンジと、うれしい機能が充実しているところが特長です。特に、ダイナミックレンジは既存機種の8Stopから12Stopへと大幅にアップしています。また、感度の設定可能範囲はISO250から2,000までです。

使いやすさを重視した設計

ボディーの背面部にあるボタンでカメラフルコントロールができるなど、撮影現場でのオペレーションのしやすさについてもしっかりと計算された設計になっています。カメラから直接10GBイーサネット出力される仕組みになっているため、スピーディーにパソコンへダウンロードすることが可能です。

CFast2.0を搭載して使用することが可能

カメラ本体にCFast2.0を搭載することができるようになっています。搭載すれば、その場でRawデータの保存が512GBまで可能になるため、とても便利です。また、市販されているカードリーダーで読み出せるので、データの受け渡しなどもスムーズです。

PLEXLOGGER

解析ソフトウェアを標準添付

PLEXLOGGERは、PC用解析ソフトウェアを標準で添付しています。撮影した映像とデータをもとに、長さや角度測定、動線解析などが可能。たとえば非接触動体測定機能や周波数解析機能、動画レポート作成機能などが搭載されています。

映像とデータ波形を同期記録

PLEXLOGGERでは、高速映像のほか、データ波形を同時に記録することが可能です。

従来では、高速映像と電圧などのデータ波形を得るためには、ハイスピードカメラの他に別の機材が必要でした。PLEXLOGGERはオールインワンとなっているため、1台で同期記録を行えます。

たとえばこれまで目には見えなかった映像をハイスピードカメラで記録しながら、電圧の同期記録が可能。また、電圧値として出力可能な外部センサーを用意すれば、電流や圧力、振動なども記録することができます。評価や検証、不具合解析などの作業効率アップにつながるでしょう。

トリガ機能による自動記録

PLEXLOGGERには撮影のための手動ボタンがついていますが、トリガ機能も搭載。トリガ前後の映像やデータ波形を見ることが可能です。「映像の変化」「各種外部センサ(電圧、音、振動など)」「設備・装置を制御するアナログ出力信号」に対応しており、いつ起こるかわからない事象でも、自動で撮影・記録してくれます。そのため、「いつエラーが起こるか予測できないから、人がずっとついていなければならない」といったムダがありません。

なお、トリガがかけられない現象の場合は、長時間記録モードを使用することで目的の現象を記録することができます。

準備時間を削減

ハイスピードカメラとデータロガー、モニタがオールインワンとなっているPLEXLOGGER。従来では、各機材を準備するのに時間や手間がかかっていました。

しかしPLEXLOGGERならハイスピードカメラとデータロガーで同期記録をしてそのままモニタで解析できるようになっているため、機材設置・撤収の手間がかかりません。さらに重量が2kgほどしかないため、重い機材を運ぶ必要もなし。ショルダーバッグに収納し、気軽に持ち運ぶことができます。

FASTCAM MH6 type LT

長時間撮影が可能

FASTCAM MH6 type LTは、長時間撮影に特化しているのが特徴。従来製品のMH6と比較すると約5倍の撮影時間を実現しています。具体的には、250 fps時に800×600画素で268秒、フルHD(1920×1080画素)時は124秒の長時間撮影が可能。

さらに、FASTCAM MH6 type LTでは試験データの複数回分を保存することができます。従来では1回の試験を行うごとにデータをダウンロードする必要がありましたが、FASTCAM MH6 type LTなら13回分の試験を連続して実施できます。

カメラヘッドは2種類

狭い場所での撮影を可能にする「ライトアングルカメラヘッド」と「ストレートアングルカメラヘッド」の2種類を用意しており、レイアウトに合わせて選択可能です。

ライトアングルカメラヘッドは、カメラ筐体の側面にケーブルを設置。背面を固定して撮影する際などに適しており、「ダッシュボードの上から撮影したい」「車内壁面から撮影したい」という場合におすすめです。

一方、ストレートアングルカメラヘッドはカメラ筐体の背面にケーブルが付いているのが特徴。ケーブルが周辺機材と干渉しやすい場合に適しており、「車内ドア内部の挙動撮影をしたい」「排気管の流れを撮影したい」などのケースで活躍します。

なお、カメラは2種類ともに800×600 画素で1,000コマ/秒の撮影が可能。約15mm角の超小型ヘッドです。

フルHD撮影ができる

FASTCAM MH6 type LTにはフルHD対応小型カメラヘッドが付いています。約35mm角の小型タイプであり、フルHD(1920×1080画素)時に1,000fpsの撮影が可能。「車内全体を撮影したい」「ドライバーの全身の挙動を写したい」という場合におすすめです。

設置場所に合わせて調整できる

Roll&Pitchブラケットがあれば、設置場所に合わせた微細な画角調整を行えます。RollとPitchを自在にコントールできるため、カメラヘッドの向き変更も簡単。調整のために機材を取り外して設置し直す必要がありません。

また、L字ブラケットは、設置箇所や画角が決まっている場合に便利。設置場所に合わせてブラケットを選ぶのがおすすめです。

ST-Camで12台撮影

約15mm角の超小型カメラヘッド「ST-Cam」なら、12台を同時に接続できます。また、約35mm角の「HD-Cam」は、6台の同時接続が可能。

また、「ST-Cam」と「HD-Cam」はメインユニットに混在して接続できます。そのため、全体挙動や詳細挙動を1度の試験で同時に撮影でき、効率的に試験を行えます。

ハイスピードカメラに関するアイテム

6D-MARKER Analyst

高精度のARマーカー

6D-MARKER Analystは、カメラ1台と特殊なマーカー1枚から、6自由度の位置・姿勢の3次元画像計測を可能にしています。

位置(X, Y, Z)と姿勢(Roll, Pitch, Yaw)の計測を実現しているのは、マーカー上側・右側に配置されたVMPと、左側・下側に配置されたFDP。VMPは見る角度に応じて変化し、従来型のARマーカーで正面撮影をした際の姿勢角度の精度をアップさせています。また、FDPは見る角度に応じて白黒パターンが反転する仕組みです。

スペースを取らない

通常、モーションキャプチャシステムや3次元画像計測システムを用意する場合、2台以上のカメラが必要なうえ、撮影のための広いスペースも確保しなければなりません。さらに、カメラは固定式のことがほとんど。

一方6D-MARKER Analystはカメラ1台とノートパソコンがあればOK。事前にレンズキャリブレーション設定のみを行えば良いため、手間なく設置作業を終えられます。さらに可搬式で省スペース設置が可能な点も魅力的。

ハイスピードカメラ対応

同社が開発したハイスピードカメラFASTCAMシリーズを併せて使用することで、高速挙動の計測も行えます。たとえば自動車の衝突実験のダミーヘッド、エンジンの振動など、ハイスピードカメラでなければ撮影できないケースにも対応できます。

なお、FASTCAMシリーズ以外のカメラで撮影した動画データ(AVI/WMV/MP4形式)にも対応可能です。

TEMA

2D解析

TEMAには、基本機能として2D解析が搭載されています。画像内のマーカーやオブジェクトを追跡すると2Dピクセル座標が生成され、速度や加速度、距離、角度などの計算が可能。また、追跡されたデータの時間・フレーム表示や周波数解析も可能です。

3D解析

オプションを利用すれば、3D解析も可能。2台以上のカメラで同じ3D座標系を使用し、ターゲットの位置を3Dで計算する仕組みです。たとえば3D解析を利用した衛星分離実験などを行えます。

6DoF解析

剛体を対象として、3次元座標が分かっている複数点をトラッキングします。3次元位置(x, y, z)と3次元姿勢(roll, pitch, yaw)を計算した6自由度解析を行えます。

さらに、オプションを利用すれば複数の剛体の算出もできるほか、1つの剛体の姿勢に対する相対的な姿勢算出も可能。たとえばダミーヘッドの姿勢や3次元的な動きを分析できます。

3Dモデル解析

TEMA Proのオプションとして、3Dモデル解析も利用可能です。

3DスキャナーやCADで作成した剛体や正確な3Dターゲットを対象として、TEMAの3Dダイアグラムに統合します。モデル表面全体の座標データを取得できるため、ダミーヘッドの裏側の仮想点データなども把握できます。

エアバッグ面積と体積解析

展開中のエアバッグの輪郭を正確に追跡し、面積を把握できる「Airbag AREA」。TEMA Proの標準機能であり、背景除去機能と逆再生解析を用いています。

また、TEMA Proのオプション機能「Airbag Volume」では、4台以上のカメラを組み合わせることで展開中のエアバッグの体積計算が可能。各カメラで捉えた輪郭を統合し、エアバッグの凹みや広がりを正確に検出します。

DIC解析

たとえば衝撃による挙動解析や布や肌の変形解析では、表面変形や歪みを正確に解析する必要があります。DIC解析ではランダムパターンの動きや変形を追跡可能。さらに検査ラインや仮想伸び計といったDICツールを使用することで、多くの表面統計情報を得ることができます。

自動車衝突実験用映像計測システム

自動車の衝突実験の際に、車内・車外の両面から撮影するシステムです。超小型ハイスピードカメラの搭載により、高精度な撮影を実現しています。衝突の瞬間を1/1,000秒単位で捉え、エアバッグの展開やシートベルトが固定される瞬間を記録。

システムは、耐衝撃レンズを搭載したハイスピードカメラに加え、撮影架台や高輝度の照明装置といった周辺装置がセット。撮影面積や照明照射面積などの条件に応じたシステムを構築してくれます。

MEMRECAM MX

小型カメラで撮影

MEMRECAM MXでは、従来のシリーズよりも更に小型・高速化した「M3-Cam」も接続可能です。M3-Camは25×25×45mmと小型サイズであるうえ、重量は約60g。狭い場所でも容易に設置できます。また、1,280×1,024ピクセル(130万画素)で1,000コマ/秒の撮影が可能です。

EuroNCAPやIIHSなどの法規に対応

EuroNCAPやIIHSといった衝突実験の試験法に対応。撮影場所に応じたカメラヘッドとカメラ設定を選ぶことができます。

8台カメラを接続できる

MEMRECAM MX では、1台の本体部に対して8台のフルHD小型カメラヘッドを接続できます。2メガピクセルセンサーを搭載したカメラのほか、4GBのメモリ内蔵の耐Gカメラヘッドを用意。高精細な映像データの取得が可能です。

さまざまなハイスピード
カメラを
扱っている会社一覧

THREE SELECTION
       
活用事例から見る!
シーン別ハイスピードカメラ3選
ハイスピードカメラを選ぶ上では、必要とするスペックや機能を把握することも大切ですが、導入後のイメージを明確にするために活用事例を参考にすることがおすすめです。ここでは、ハイスピードカメラの活用事例の多い3社とおすすめ製品を紹介します。(2021年10月1日時点)

製造現場で活用するなら

ASPINA シナノケンシ
シナノケンシ公式HPキャプチャ
引用元:シナノケンシ公式HP
https://plextor.jp/plexlogger/

活用事例数

製造現場:40件
研究開発:8件
特殊状況:0件

おすすめの理由

製造現場で求められる
スペックを満たし(100,000fps)
撮影・記録・解析機能が1台で叶う

研究開発での用途が多いなら

フォトロン
フォトロン公式HPキャプチャ
引用元:フォトロン公式HP
https://www.photron.co.jp/

活用事例数

製造現場:8件
研究開発:29件
特殊状況:0件

おすすめの理由

研究用に適した
撮影速度100万fps以上の
製品が多い (3製品)

特殊な状況での撮影が必要なら

ノビテック
ノビテック公式HPキャプチャ
引用元:ノビテック公式HP
https://www.nobby-tech.co.jp/

活用事例数

製造現場:12件
研究開発:28件
特殊状況:7件

おすすめの理由

防衛や宇宙関連など、
高度な技術を要する撮影にも
対応できる

※Googleで「ハイスピードカメラ」と検索して出てきた上位の28社の中から、公式HPに掲載されていた活用事例数が多い3社をピックアップしています。(2021年10月1日時点)
※活用事例の「特殊状況」とは、爆発や衝撃波などの事例を表しています。