このページでは、ハイスピードカメラを購入するのでなく、レンタルサービスを活用したハイスピードカメラの導入について考えてみました。ハイスピードカメラの導入を検討している方は、購入した場合とレンタルの場合とでどのような違いが発生するのか確認しておきましょう。
ハイスピードカメラを導入したい場合、レンタルサービスを活用して、期間限定でハイスピードカメラを利用するといった方法があります。
例えば、高性能なハイスピードカメラを購入するための予算が足りなかったり、ハイスピードカメラを必要とするプロジェクトが期間限定であったりする場合、レンタルサービスを活用して一時的にハイスピードカメラを設置するとった方法は事業戦略として重要です。
ただし、ハイスピードカメラをレンタルする場合、購入時との違いについても知っておかなければなりません。
ハイスピードカメラのレンタルサービスを活用するメリットとして分かりやすいものは、初期費用(導入コスト)を抑えやすいという点です。
当然ながら、レンタルサービスを使った場合、自社でハイスピードカメラを購入する場合よりも安価で同じ製品を利用できます。また、付属品等についてもまとめてレンタルすることができれば、さらに周辺機器などを買いそろえる必要がありません。
ハイスピードカメラを使用する頻度や期待する機能・性能、撮影した画像・映像の用途など、複数のニーズを総合的に考慮してレンタルプランを検討できることもメリットです。
また、レンタルサービスとして最新機種や上位機種といった製品も取り扱われている場合、レンタルのたびに新しい製品を活用できる点も見逃せません。
レンタル台数もサービス会社によって設定可能であり、ニーズに合わせた使い方を模索できます。
レンタルサービスではサービス会社がハイスピードカメラなどのメンテナンスや修繕などを対応しているため、自社で定期メンテナンスや修理・修繕などを行う必要がありません。
メンテナンスがされているレンタル品であっても、突発的な不具合が発生するリスクはありますが、その場合はサービス会社へ連絡することで代替品などを速やかに用意してもらえることもメリットです。
短期間のレンタルでなく、長期のリース契約となった場合、ハイスピードカメラ1台あたりのコストをさらに割引してもらうといったサービスも考えられます。
レンタルとリースは異なるサービス形態であり、契約時にはそれぞれの違いについても理解しておかなければなりませんが、それでもコストや利用期間のバランスを考えながら自社にとって適切なプランを提案してもらえることは魅力的です。
レンタルサービス会社が複数のメーカーのハイスピードカメラを同時に取り扱っている場合、それぞれの機種の違いや特徴などを改めて詳しく相談して確認することができます。
そのため、色々なハイスピードカメラを比較検討したものの、自社に合う製品を選べないと迷っているような場合、試しにレンタルサービスを活用するのがおすすめです。自社ニーズとのマッチングするか検討した上で、購入するか別機種にするか検討する余裕が生まれます。
なお、プランによってはレンタル後の買取の場合、一部費用を割引してもらえるといった可能性もあるので、ぜひ相談してみてください。
ハイスピードカメラをレンタルする場合のデメリットとして、しばしば短期間のレンタルを繰り返すといったような場合、トータルコストではレンタルした方が支出増となるリスクもあります。
基本的に、長期間、同じハイスピードカメラを使い続けようと決めているのであれば、購入した方がトータルコストは下がりやすくなります。
そのため、レンタルサービスを活用する場合は初期コストだけに注目するのでなく、長期的な運用や将来的なプロジェクトの可能性なども視野に入れて考えるようにしてください。
そもそもハイスピードカメラのレンタルサービスを取り扱っている会社でなければ、レンタルできません。また、サービス会社によってレンタル品として用意している製品のラインナップも異なっており、必ずしも目的とする機種やグレードが利用できるとは限らないといった点もデメリットです。
どうしても必要としている機種や機能、製品グレードなどが決められている場合、レンタルでなく購入を検討した方が無難です。
また、付属品やオプションとしてレンタルできる内容物についても各社で違いがあるため、場合によっては自社で不足品を買って用意しなければならないといった可能性もあります。
以前にレンタルしていたハイスピードカメラと、改めてレンタルするハイスピードカメラが変わった場合、作業手順や撮影画像・収集データの分析方法といった、工程やフローが変わってしまう恐れもあります。
フローが変わってしまうと、改めて作業手順を作ったり、マニュアルを周知徹底したりしなければならず、余計な作業負担が生じてしまうリスクもあるでしょう。
また、同メーカーのシリーズ品であっても、以前よりグレードを下げた結果、思っていた機能が使えずに費用が無駄になるといった問題にも注意してください。
レンタル品はそれぞれのクライアントに貸し出され、やがて返却され、また別のクライアントへ貸し出されるといったサイクルを繰り返します。そのため、実質的にレンタルサービスのハイスピードカメラは中古品と同様の状態であると考えられるでしょう。
当然ながらレンタルサービス会社にとってメンテナンス等が実施されており、中古品といっても使用に問題はないかも知れません。
しかし、様々なクライアントに使われてきたハイスピードカメラは個体によって扱いに差があることも当然であり、中には外れの機種に当たってしまう可能性もあります。
まずはどのような目的や用途でハイスピードカメラが必要なのか、しっかりと担当者へ相談して希望を伝えます。その上で、担当者がヒアリングしたニーズにもとづいて製品やプランの提案をしてくれるため、自社としての要望をすり合わせていきましょう。
製品やプランが確定すれば実際にレンタルサービスを利用します。
製品の使用マニュアルや使用中の注意事項については、必ず製品を使い始める前に確認しておいてください。
利用期間が終了すると同時にレンタルサービスも満了し、ハイスピードカメラを返却します。ただし、場合によってはそのまま製品を購入し、継続使用にするといったことも可能です。
継続使用の条件は契約前に確認しておきましょう。
レンタルのハイスピードカメラが破損したとき、どういう対応をすればいいかを知っておけば落ち着いて対処できます。
借りた側の過失なら、購入対価か修理費用を支払います。破損以外に、故障、無くしてしまったというケースでも同じです。借りた側の過失かどうかがポイントになります。明らかに貸した側の過失で機材が故障した場合は、機材の交換や無償修理が多いです。
撮影環境次第では破損の可能性が高まります。そのため貸す側も機材保険プランを用意している場合があるため、事前に保険プランの有無を確認しておきましょう。カメラ以外に、照明、三脚、治具などもカバーできます。例えば火災や落雷や破裂やガスなどの爆発、機器設置時の落下や運送中の事故による破損であれば、補償を受けられます。
ただし、故意の破損はもちろん、水没は補償外になるプランもあるので注意しましょう。
購入でも保証範囲の確認は必要です。火災や落雷や地震などの天災系、移動時の落下、寿命部品や消耗品の消耗や摩耗や劣化などがあげられます。提供側以外が修理や調整や改造をして故障しても保証外です。
カメラの対象製品以外の起因の故障、油煙、湯気、ホコリ、有機溶剤やガスの影響が高い環境や、宇宙や真空環境の故障や損傷も保証外です。マニュアルに記載された禁止や警告や注意項目などに違反した運用で故障しても、保証されないことが多いため注意しましょう。
レンタル費:320,000円/1日~(税不明)
Phantom Flex4Kは、ハイスピード撮影では高画質のカメラという評価を得ています。12stopのハイダイナミックレンジで、高い表現力の撮影が可能です。高速メディアのRaw収録や、外部メディアレコーダ収録両対応。操作パネルはボディに搭載しており、スタンドアロン撮影もできます。
レンタル費:176,000円~(税込)
MEMRECAM Q1v は、62×62×65mmで470gの小型、軽量タイプのスピードカメラです。産業用ロボットに搭載モノクロISO 50,000の好感度が強みです。顕微鏡下、拡大光学系と組み合わせた撮影もできます。LabVIEW対応で、基本撮影以外に、試験装置の制御を含めたシステムアップのカスタマイズも可能です。
レンタル費:209,000円(税込)
撮影速度は、60~86400コマ/秒です。ただし、フルHD解像度なら2000コマまで対応できます。スケーラーによって2000コマ以上も16:9が可能です。撮像素子2048×2048ピクセル/12bit ADC (36bit single sensor)、撮影時間は2000コマ/秒フルHD撮影時で最大約5.17秒です。記録媒体はICメモリーですが、HD-SDI 出力から直接VTR収録ができます。
参照元:ティスマン・サービス(https://www.tisman.co.jp/item/fastcam-bc2-hd.html)
レンタル費:150,000円(税不明)
Phantom VEOは小型軽量で、1,280×800ピクセルで7,400コマ/秒の高速撮影の撮影ができます。解像度の調整により、超高速撮影も可能です。カメラ制御ソフトウェアにより、画像の複数表示や同期再生も利用できます。-10~50℃の環境で撮影を行えるカメラで、学術研究にも使われています。
参照元:ノビテック(https://www.nobby-tech.co.jp/measure/highspeed/PhantomVEO/hs.html)
ハイスピードカメラを導入する場合、自社で製品を購入する方法と、レンタル会社から任意のハイスピードカメラをレンタルして一時的に利用する方法があります。
購入とレンタルにはそれぞれメリットやデメリットがあり、重要なポイントは自社がどうしてハイスピードカメラを使いたいのか、その理由やニーズなどとしっかりマッチングすることです。
初期コストや長期的な運用も視野に入れて、自社にとって適切なプランを考えていきましょう。
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