このページでは、ハイスピードカメラのfps(フレームレート)ごとに、どのような現象を撮影しやすいのかを整理しています。ハイスピードカメラは、単にfpsが高ければよいわけではなく、解像度・感度・シャッター速度・記録時間・トリガ機能・設置性などを撮影対象に合わせて選ぶことが重要です。
ここでは、fps帯ごとの代表的な用途に加え、選定時に重視したいポイントや機種例、価格相場の考え方もあわせて紹介します。なお、掲載している機種例は用途理解のための一例であり、最適な構成は撮影対象や測定条件によって異なります。
〜1,000fps帯は、製造現場の工程可視化、装置挙動の確認、比較的ゆるやかな液体挙動の観察、研究開発の初期検証などで活用しやすいレンジです。人の目では見逃しやすい動きでも、1,000fps前後まで撮影できれば、停止・スロー再生しながら原因の切り分けや条件出しを行いやすくなります。
この帯域では、超高速性能よりも、必要な視野を確保できる解像度や、現場へ持ち込みやすいサイズ感、撮影準備のしやすさが重視されることが少なくありません。製造ラインのトラブルシューティングや、工程の改善検討では、まずこの帯域から検討されるケースが多く見られます。
液体の跳ねやミルククラウンのような現象では、液滴が立ち上がる瞬間や飛散の広がり方を観察するために、フレームレートに加えて十分な解像度と短い露光時間が重要です。現象全体の形状変化を見たい場合は、視野を広く取りながら撮影できる高解像度モデルが向いています。
一方で、液滴の細部まで解析したい場合は、fpsだけでなく、レンズ倍率や照明条件も結果に大きく影響します。特に露光時間を短くすると暗くなりやすいため、高感度センサーや適切な照明設計を組み合わせることが大切です。
〜1,000fps帯では、現象の全体像を把握しやすい解像度、現場で扱いやすい設置性、撮影から保存までの操作のしやすさが重要です。研究室や製造現場など、撮影環境が一定でない場合は、小型・軽量で持ち運びしやすいモデルも選択肢になります。
この帯域では、高解像度で現象全体を確認しやすいモデル、工程観察に向く小型モデル、画像処理との組み合わせを想定したモデルが候補になります。ナックイメージテクノロジーの「MEMRECAM GO-4K」は、4,608×2,176ピクセルで1,000fps撮影に対応しており、広い視野を確保しながら現象を確認したい用途に向いています。

フォトロンの「INFINICAM UC-1.1」は、120万画素の画像データを1,000コマ/秒でPCメモリに転送できるストリーミング型の機種で、高速画像処理システムとの連携を前提にした用途で比較対象になりやすいモデルです。さらに、フォトロンの「FASTCAM Mini UX100」は、1,280×1,000ピクセルで5,000コマ/秒に対応する軽量コンパクトな機種で、1,000fps帯を十分カバーしつつ、将来的により高い速度帯まで視野に入れて検討したい場合の候補になります。
〜1,000fps帯は、ハイスピードカメラの中では比較的導入を検討しやすいレンジですが、価格は解像度、感度、記録メモリ、制御機能、ソフトウェア構成によって大きく変わります。高解像度モデルや解析用途を前提にした構成では価格が上がりやすく、まずはレンタルで検証してから導入を判断するケースも少なくありません。
特に「ハイスピードカメラ 価格 1,000fps」で情報収集している場合は、本体価格だけでなく、必要なレンズ、照明、保存環境、解析ソフトまで含めて総額で考えることが大切です。
〜10,000fps帯になると、製造現場での加工現象の観察に加え、研究開発、実験、各種評価試験まで対応範囲が広がります。工具先端の挙動、破断の初動、部材の変形、試験片の応答など、1,000fpsでは時間分解能が足りない現象をより細かく追えるようになります。
この帯域では、瞬間的な変化を取り逃さないためのトリガ機能やプリトリガ機能、さらに短い露光時間でも必要な明るさを確保できる感度性能が重要です。加工現象や評価試験では、単に“速く撮れる”ことよりも、“狙った瞬間を再現性よく撮れる”ことが求められます。
風船や薄膜の破裂、材料の破断の初動は、変化が一気に進行するため、数千〜数万fpsのレンジが有効になるケースがあります。破断開始位置やクラックの走り出しを確認したい場合は、フレームレートだけでなく、グローバルシャッターや同期精度、記録タイミングの取りやすさも重視したいポイントです。
特に、破断がいつ起きるかわからない試験では、プリトリガ機能があると、発生前の挙動も含めて記録しやすくなります。破断面の詳細解析をしたい場合は、必要視野に対して十分な画素数が取れるかも確認が必要です。
高速回転工具の刃先やビビリ振動の観察では、回転数に対して十分なフレームレートを確保し、1回転あたり複数フレームで状態を確認できることが望まれます。刃先のブレ、欠け、切りくず排出、摩耗進行などを評価する場合、露光時間が長いと像が流れやすいため、短いシャッター速度と高感度性能の両立が重要です。
また、加工点の周辺は装置や治具が密集しやすいため、カメラのサイズや設置自由度も結果に影響します。狭い場所へ設置したい場合は、小型モデルの優位性が出やすい領域です。
〜10,000fps帯では、フレームレートの高さに加え、短い露光時間でも撮影しやすい感度、撮り逃しを防ぐトリガ機能、狭所に対応しやすい設置性が選定の中心になります。加工・試験・評価用途では、現場で素早くセッティングできることも重要です。
この帯域では、高感度モデル、狭所に設置しやすい小型モデル、試験や評価で使いやすい高性能モデルが主な候補になります。ナックイメージテクノロジーの「MEMRECAM GO-9 / GO-12」は、1,008×896ピクセルで10,000〜12,000fpsの撮影に対応し、小型・可搬性を活かした現場観察に向いています。

フォトロンの「FASTCAM Mini AX」は、1,024×1,024ピクセルで6,400コマ/秒、640×480ピクセルで20,000コマ/秒に対応しており、10,000fps前後の用途でも比較対象になりやすい機種です。さらに、フォトロンの「FASTCAM Nova S」は、1,024×992ピクセルで20,000コマ/秒に対応しており、10,000fps帯からさらに上の速度帯まで視野に入れて選びたい場合の候補になります。
〜10,000fps帯は、〜1,000fps帯に比べて、感度性能や記録機能、制御機能の要求が上がるため、価格も上がりやすいレンジです。特に、高感度モデル、長い記録時間を確保できるメモリ構成、外部同期やトリガ入力を備えた構成では、価格差が大きくなります。
「ハイスピードカメラ 価格 10,000fps」で比較する際は、fpsに対してどの解像度が出せるか、必要な記録時間がどれくらいか、撮影環境にあわせた照明やレンズが必要かまで含めて確認するのが大切です。
〜100,000fps帯は、流体、燃焼、放電、溶接、微小体の挙動など、研究開発色の強い現象に対応しやすいレンジです。立ち上がりの速い発光現象や、肉眼では連続的にしか見えない微細な時間変化も、フレーム単位で追いやすくなります。
この帯域になると、単純な高速度撮影だけでなく、高感度・高ダイナミックレンジ・同期精度・短露光時の画質保持など、複数の性能バランスが重要になります。特に、発光が強い現象や暗所での観察では、センサー性能の差が結果に直結しやすくなります。
放電・スパーク現象は、立ち上がりが非常に速く、しかも発光の強弱差が大きいため、数万〜数十万fpsのレンジと、それに応じた短い露光時間が必要になるケースがあります。放電路の飽和を抑えつつ周辺の情報も見たい場合は、ダイナミックレンジや感度性能が重要です。
また、電圧波形や電流波形と同期して評価したい場合は、外部同期やトリガ入力への対応も選定上のポイントになります。単に放電が見えるだけでなく、電気信号と光学現象を突き合わせられるかどうかで、撮影の価値が大きく変わります。
超音速流れや衝撃波の可視化では、シュリーレン法やシャドウグラフ法と組み合わせることが多く、数万〜数十万fpsで密度変化の動きを追えることが重要です。流れ全体の構造を見るには画素数、微小な濃淡差を見るには階調表現、ブレを抑えるには感度と露光条件が大きく影響します。
流体の可視化は、カメラ単体の性能だけでなく、光学系や照明、同期撮影構成との組み合わせで結果が大きく変わる分野です。したがって、この帯域では“カメラのスペック表だけで決めない”ことが特に重要になります。
〜100,000fps帯では、高速度性能に加え、高感度、プリトリガ、マルチセグメント、外部同期、強発光条件への対応などが重要になります。溶接、燃焼、放電のように条件が厳しい現象では、撮影環境にあわせた機種選定や周辺構成の検討が欠かせません。
この帯域では、研究開発や現象解析向けの高感度モデルが候補になります。ナックイメージテクノロジーの「MEMRECAM ACS-1」は、1,280×896ピクセルで54,000コマ/秒、ブーストモードでは同一系列で150,000コマ/秒まで対応しており、高速領域を高解像度で捉えたい用途に向いています。ナックイメージテクノロジーの「MEMRECAM ACS-3」は、高感度ISO100,000のセンサーを採用し、1,280×896ピクセルでブースト4モード時50,000コマ/秒に対応する小型一体型モデルで、機動性や同期計測を重視する場面で候補になります。

フォトロンの「FASTCAM Nova S」は、512×512ピクセルで62,500コマ/秒、最高1,100,000コマ/秒に対応し、燃焼、切削、溶接などの用途で比較対象になりやすい高感度モデルです。
〜100,000fps帯は、ハイスピードカメラの中でも本格的な研究・評価用途向けの価格帯に入ります。感度、記録速度、内部メモリ、同期機能、ソフトウェア、サポート体制などの違いによって価格差が大きく、同じfps帯でも導入コストは大きく変わります。
「ハイスピードカメラ 価格 100,000fps」で情報収集する場合は、カメラ本体だけでなく、周辺機器や撮影サポートを含めた構成で比較することが重要です。用途によっては、まずレンタルや受託計測で成立性を検証してから導入判断を行う方法も有効です。
100万fps以上の超高速度撮影は、瞬時破壊、衝撃波、微小放電、燃料噴射の微粒化、微細気泡の崩壊・収縮など、極めて短時間に進行する現象の観察で検討されるレンジです。この領域では、フレームレートの高さそのものに加え、どの解像度で何フレーム記録できるか、どれだけ短い露光時間で撮れるかが重要になります。
また、100万fps以上の世界では、カメラ単体のスペック比較だけでは判断しづらく、光学系、照明、同期、保存、解析まで含めた撮影システム全体の設計が必要になることも少なくありません。したがって、仕様表の数値だけでなく、実際の撮影目的に対して成立する構成かどうかを確認することが大切です。
材料内部を進むクラックや、破壊開始から停止までの挙動を詳細に追うには、非常に高い時間分解能が必要になることがあります。試験片全体の挙動を見たいのか、先端近傍の変形やひずみ集中を見たいのかによって、必要な解像度と撮影倍率は変わります。
また、突発的な破壊試験では、長い記録メモリやプリトリガ機能の有無が結果を左右します。fpsだけでなく、記録できる時間幅や画質もあわせて見るべき領域です。
点火スパークの観察では、微小な放電路から火炎核が成長する初期過程を追うため、数万fps以上、条件によってはさらに高いフレームレートが必要になります。スパーク自体は非常に明るく、周囲は暗いことが多いため、露光制御やダイナミックレンジ、感度性能が結果に大きく影響します。
また、点火信号との同期が取れることも重要で、同一条件で繰り返し比較したい場合は、トリガ精度や再現性の高さが求められます。
燃料噴射の微粒化は、ノズル出口近傍でのリガメント形成から液滴分裂までが非常に短い時間で進むため、数万〜100万fps以上のレンジが検討対象になります。個々の液滴径や噴霧形状を評価するには、バックライト法などの撮影手法と、十分な解像度を両立できる構成が必要です。
この用途では、fpsを上げるだけでなく、どの視野でどの粒径まで見たいかを先に整理することが重要です。超高速度になるほど、解像度や記録時間とのトレードオフが大きくなります。
ガラス、CFRP、脆性材料などの瞬時破壊では、破壊開始から破片の飛散までがごく短時間で進行します。このような現象では、100万fps以上の超高速度撮影が候補になることがありますが、同時に露光時間も極端に短くなるため、十分な光量や高感度センサーが不可欠です。
視野全体で破片挙動を追うのか、一部を拡大して破壊モードを見るのかで、必要な構成は大きく変わります。超高速度撮影は、用途ごとの要件整理がとくに重要な分野です。
微細気泡やマイクロバブルの崩壊・収縮は、対象が非常に小さく、しかも時間変化も速いため、顕微鏡や高倍率マクロレンズと組み合わせた撮影系が前提となることが多い現象です。fpsだけでなく、光量の確保、光学倍率、被写界深度、センサー感度なども重要になります。
このような微小対象では、わずかなノイズやブレが解析結果に影響しやすいため、カメラ単体のスペック比較だけでなく、撮影系全体の相性を確認することが大切です。
この帯域では、超高速度の専用機や高感度モデル、フレーミング系に近い特殊モデルが主な候補になります。ナックイメージテクノロジーの「MEMRECAM ACS-1」は、フルフレーム1,280×896ピクセルで54,000コマ/秒、1,280×448ピクセルで100,000コマ/秒、さらに垂直画素数を減らすことで最高1,000,000コマ/秒の撮影に対応しており、100万fps領域まで視野に入れて検討したい場合の比較候補になります。

島津製作所の「Hyper Vision HPV-X2」は、10 million frames/second(1,000万fps)の記録に対応し、超高速現象の観察用途で知られています。
さらに、Specialised Imagingの「Kirana」は、924×768ピクセル・180フレーム・最大7,000,000fpsという仕様を持ち、超高速破壊や衝撃波など、より特殊な撮影条件で検討される機種です。
100万fps以上の超高速度帯では、フレームレートの数値だけでは適切な選定ができません。解像度、記録可能フレーム数、露光時間、感度、同期機能、光学系との組み合わせ、保存・解析環境まで含めて検討する必要があります。用途によっては、汎用的な高速度ビデオカメラよりも、より特殊な撮影システムが適することもあります。
100万fps以上の超高速度撮影は、ハイスピードカメラの中でも最上位クラスに位置づけられることが多く、価格は構成によって大きく変動します。必要な解像度、記録時間、センサー方式、周辺機器の有無によってコスト差が非常に大きくなるため、一般的な価格帯だけで判断するのは難しい領域です。
「ハイスピードカメラ 価格 100万fps」や「ハイスピードカメラ 価格 1000000fps」で調べる場合も、実際には撮影対象に対してどの構成が必要かで見積内容が変わります。まずは用途を明確にし、必要に応じて複数メーカーや取り扱い会社へ相談しながら比較するのが現実的です。
BtoB向けのハイスピードカメラは、一般的な映像撮影用カメラと比べて高価になりやすく、選定も慎重になりがちです。しかし実際には、fpsの高さだけで決めるよりも、撮影対象に必要な解像度、シャッター速度、感度、記録時間、同期機能、設置性まで含めて整理したほうが、導入後の失敗を防ぎやすくなります。
また、購入だけでなく、レンタルや受託計測を活用して成立性を確認する方法もあります。ハイスピードカメラで撮影できるもの以外にも、基礎知識をあわせて把握しておきたい方は、以下のページも参考にしてください。
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溶接・レーザー接合
・金属積層など
材料接合分野
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強発光を伴う材料接合プロセスも
鮮明に記録する
MEMRECAM GO
| 撮影速度 | 220,000fps |
|---|---|
| 感度 | モノクロISO 100,000 カラーISO 20,000 |
| 筐体サイズ | 128×128×135mm、約2.9kg |
電子部品・精密機器・医療機器など
実装・組立分野
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組立工程の微細な動作を
正確に捉える
HAS-D71
| 撮影速度 | 最大120,000fps |
|---|---|
| 解像度 | 最短3μs |
| シャッタースピード | 640×480(VGA) |
航空宇宙・高速飛行・爆発など
研究分野
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ナノ秒スケールの現象も記録可能
Phantom TMX 7510
| 撮影速度 | 1,750,000fps |
|---|---|
| センサー | 裏面照射型 (BSI CMOS) |
| 解像度 | 1,280,×800ピクセル |