このページでは、ハイスピードカメラのfpsによって、どのような撮影ができるのか解説しています。ハイスピードカメラの導入を検討している方は、ぜひ参考にしてみてください。
1,000fpsまでの撮影速度があれば、様々な製造現場での工程可視化・溶接や切削加工の条件出し・不具合探知などに活用できます。産業の高度化により、これまでのように装置を見ながら経験と勘による調整をするだけでは、設備の安定化を図ることが難しくなっているため、ハイスピードカメラの導入は進んでいると言えます。
また、メーカーによって撮影できる対象は多岐に渡ります。例えば、アーカイブティップスが扱う、人間の動作の分析(モーションキャプチャー)で活用されているハイスピードカメラ「Miqus」は、550fpsのフレームレートに対応していますが、研究開発に役立つデータを提供可能としています。(※1)
また、フォトロンが扱う1,000fps/120万画素のハイスピードカメラ「INFINICAM」も様々な分野に導入可能で、ロボット制御や産業システムの画像検査、バイオイメージング、自動運転といったシーンで活用が想定されています。(※2)
10,000fpsほどの撮影速度を有すると、製造現場での工程に加え、研究開発や実験、試験の分野も撮影可能になってくることが多いです、具体的には、衝突実験などで有益なデータを収集することができるでしょう。開発された自動車が、衝突の瞬間、安全設計通りに衝撃を吸収できるか、ダミー人形に対してどれほどの時間でエアバックが展開されるかなどを、しっかりと捉えることが可能です。
衝撃実験などに使用されるハイスピードカメラは、フレームレートの性能はもちろん、耐衝撃性に優れた機種が使用されています。このようにハイスピードカメラは、社会の安全確保の分野でも活用されています。
100,000fpsの高速撮影が対象としているのは、流体や燃焼、さらには微小体の観察といった研究分野です。専門用語では「PIV(粒子画像流速測定法)」と呼ばれている流体の可視化技術は、流体における数値シミュレーションシステムの発達を実証するために、近年ますます重要視されるようになっています。
燃焼の観察に高速撮影が用いられるのは、エンジンの開発などに役立つためです。近年の気候変動を受け、自動車などの輸送手段におけるエンジンの燃焼効率をさらに向上させるため、開発現場でハイスピードカメラが用いられています。
100万fpsの高速撮影ができるハイスピードカメラは多種多様な製品の中でも上位にあるカメラです。例えば、ハイスピードカメラメーカーであるフォトロンが開発した、最大210万fpsを誇る「FASTCAM SA-Z」は、より詳細な流体や燃焼の事象観察をはじめ、微小体の観察にも適用されています。(※3)
また、主に海外製品を扱うノビテックのハイスピードカメラ「kirana」は最大500万fpsを誇り、衝撃波の伝播や爆発などの特殊な状況を必要とする撮影にも対応しています。(※4)
100万fps以上の世界を撮影するともなれば、フレームレート以外にも様々な高機能がカメラに求められることになり、高速データ転送やコンピューター制御など、カメラを含めた高速撮影システムの構築も必要になります。導入を検討されている方は、あわせてチェックが必要です。
BtoB向けのハイスピードカメラは個人向けのよりもコストは高め。そのため、選定はどうしても慎重にならざるを得ないでしょう。製品のスペックや性能を比べることも大事ですが、それよりも前に検討する上で知っておきたい基礎知識をまとめています。ハイスピードカメラで撮影できるもの以外の情報も知りたい方は参考にしてみてください。
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アーク溶接やレーザー溶接の可視化など
溶接分野
おすすめの製品一例
強光を伴う溶接現象も
鮮明に記録する
MEMRECAM GO
| 撮影速度 | 220,000fps |
|---|---|
| 感度 | モノクロISO 100,000 カラーISO 20,000 |
| 筐体サイズ | 128×128×135mm、約2.9kg |
電子部品・精密機器・医療機器など
実装・組立分野
おすすめの製品一例
組立工程の微細な動作を
正確に捉える
HAS-D71
| 撮影速度 | 最大120,000fps |
|---|---|
| 解像度 | 最短3μs |
| シャッタースピード | 640×480(VGA) |
航空宇宙・高速飛行・爆発など
研究分野
おすすめの製品一例
ナノ秒スケールの現象も記録可能
Phantom TMX 7510
| 撮影速度 | 1,750,000fps |
|---|---|
| センサー | 裏面照射型 (BSI CMOS) |
| 解像度 | 1,280,×800ピクセル |