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ハイスピードカメラはどんな用途で使用される?

高速の現象でも撮影でき、スローモーションで観察できるハイスピードカメラ。そもそもハイスピードカメラは、どんなシーンや分野で使われているのでしょうか。このページではハイスピードカメラの用途について紹介するので、是非チェックしてください。

ハイスピードカメラとは

ハイスピードカメラとは凄い早く動く高速の現象を高速で撮影し、スローモーションで見ることができる特殊カメラです。基本的に通常のビデオカメラであれば1秒あたり30枚ほどの撮影が可能ですが、ハイスピードカメラであれば1秒当たり数百枚から数万枚ほどの撮影ができます。そのため鮮明なスローモーション映像を見ることができ、より動作一つひとつを観察しやすくなるのです。撮影速度はfpsの単位で表しており、ハイエンドの機種であれば200万fpsという超高速撮影ができるタイプもあります。

ハイスピードカメラの使用用途

ハイスピードカメラの使用用途は様々で、企業や大学で研究や開発などを行う際に使用されるケースもあります。たとえば自動車の衝突に対し、安全性を高める研究・開発を進める際に衝突する映像をハイスピードカメラで撮影し、その映像をスローモーションで観察することによって、どの部分に弱点があるのかをチェックできるでしょう。それによって、どの部分を頑丈に設計した方が良いか検討する材料となります。つまりハイスピードカメラでは私たち人間の目では捉えられない現象を観察する際に役立つ装置なのです。

エレクトロニクス

スマホやパソコンの開発などの際にもハイスピードカメラは活用されています。たとえばモバイル端末が落下した際に挙動・変形などを確認し、安全性・耐久性の観察に活用されるでしょう。さらにインクジェットプリンターのインクがどう出さるのかを撮影することで、品質アップにも役立てることが可能です。つまり様々なエレクトロニクスの分野で活用しており、安全性・耐久性・品質などを向上させるべく研究されています。

生産業

生産業においてもハイスピードカメラは欠かすことが出来ません。たとえば生産ライン上で起こる不具合などを観察することによって、不具合への対策が講じられるというメリットがあります。また高速化が進む生産設備のなかで、歩留まりの改善にも役立っているでしょう。つまり生産ラインをスムーズに動かすためには、ハイスピードカメラが重要になってくるのです。

流体

ハイスピードカメラは液体・気体の流れを観察・計測する際にも有効な装置です。たとえばPIVという画像計測法を用いることによって、流れの方向や速度などを計測することができ分布化がスムーズとなります。流体の状況把握ができれば、様々な現象が何故・どのように起こるのか把握しやすくなるでしょう。

自動車

自動車分野でもハイスピードカメラは、様々なシーンで活用されています。たとえば衝突安全試験において衝突する際の乗員・歩行者をいかに守れるのかの研究などに役立つでしょう。またエンジン分野の場合は燃費向上の研究に活用されており、内部の燃焼状態の撮影を行うことで燃焼効率アップに活躍しています。自動車の性能アップのためにハイスピードカメラは用いられているのです。

医療

実は医療分野においてもハイスピードカメラは活用されているのです。たとえば長崎大学においてはHiSpec1と医療用ボアスコープを用いて、声帯の振動を撮影。音声と同時に撮影することで、声帯振動と発声について同時に研究を進めています。

スポーツ

スポーツ分野は、ハイスピードカメラが大いに活躍する分野と言えるでしょう。たとえばプロのスポーツ映像で流れるスローモーション映像を見たことがある人も多いはずです。また投球フォームやゴルフのスイングフォーム、サッカーのキックの瞬間などを撮影することで、どのようなフォームで動作が行われ、どこに力が入っているかの観察がしやすくなります。その映像を分析することで、フォーム改善などに役立つでしょう。

自然

まだ自然界には私たちが把握できていない不思議な現象が多々あります。ハイスピードカメラを活用することで、そういった未知の現象も解明しやすくなるでしょう。また水風船の破裂の瞬間や雷の発生の瞬間などを撮影するなどのシーンでも用いられています。

動物

動物の動きなどを観察するときにもハイスピードカメラは使用されています。たとえばカエルが跳ぶ瞬間や鳥の羽ばたき、馬の足取りなどの撮影にも用いられているでしょう。動物の動きを観察することで発達などを知る術になるだけでなく、電化製品の開発に役立てられているようです。

THREE SELECTION

【業務用】
利用用途別に選ぶ
おすすめのハイスピードカメラ3選を比較

アーク溶接やレーザー溶接の可視化など
溶接分野

ナックイメージテクノロジー

おすすめの製品一例

強光を伴う溶接現象も

鮮明に記録する
MEMRECAM GO

         ナックイメージテクノロジー
引用元:ナックイメージテクノロジー公式HP
(https://www.nacinc.jp/analysis/high-speed-camera/memrecam-go/)
最高速度 220,000fps
最高解像度 1,008×896ピクセル
感度 ISO100,000
  • HDRモードにより強発光下でも白飛びや黒つぶれを抑え、アーク光の明暗境界や溶滴移行、溶融池の凝固過程を鮮明に捉える
  • ケーブルレス仕様で狭小ブースにも設置可能。さらにワイヤレスリモート機能で安全扉越しからカメラを制御でき、過酷な溶接環境でも効率性と安全性を確保

衝突試験やエアバッグの展開試験など
自動車安全評価分野

フォトロン

おすすめの製品一例

4K解像度を実現した
衝突試験向けモデル
FASTCAM Nova R5-4K/R3-4K

         フォトロン
引用元:フォトロン公式HP
(https://www.photron.co.jp/service/hsvcam/products/novar4k/)
最高速度 1,250fps
最高解像度 4,096×2,304
ピクセル
感度 記載無し
  • エンジンルームや実車走行中でも使える小型・高耐久設計で、衝突試験や展開挙動の高精度な検証に対応可能な高速度カメラを提供
  • 4K広角対応で視野不足や撮影漏れを防止し、解析精度を維持したまま試験回数を削減。開発の迅速化に貢献

爆発・高速飛行隊の挙動など
航空宇宙試験分野

ノビテック

おすすめの製品一例

ナノ秒スケールの現象も記録可能
Phantom TMX 7510

     
         ノビテック
引用元:ノビテック公式HP
(https://www.nobby-tech.co.jp/measure/highspeed/TMX7510_6410.html)
最高速度 1,750,000fps
最高解像度 1,280x800ピクセル
感度 ISO125,000
(モノクロスタン
ダードモード)
  • 米国を拠点に航空宇宙分野をリードするメーカー「Phantom」の正規代理店。堅牢かつ耐衝撃性設計で過酷な現場環境でも撮影可能
  • 最大1,750,000コマ/秒の超高速撮影で、μs(マイクロ)〜ns(ナノ)秒単位の衝突・爆発・粒子の瞬間挙動を捉え、従来困難だった可視化を可能