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偏光ハイスピードカメラについて

様々なシーンで活用されている偏光ハイスピードカメラ。このページでは偏光ハイスピードカメラとはなにか、導入事例などを分かりやすく解説するので、ぜひチェックしてください。

偏光ハイスピードカメラとは

偏光ハイスピードカメラとは、画素ごとに包囲の異なったフォトニック結晶型マイクロ変更素子アレイを搭載した「偏光高速度イメージセンサー」を備え付けたハイスピードカメラのことです。これまでは偏光計測に欠かせなかった偏光板の回転動作が必要ありません。また1度の露光だけで偏光計測に必要となる光強度の情報を得ることができます。

そもそも偏光とは振動方向が規則的な光のことで、目では認識が難しい光のことです。光の偏光の状況は透過した物体の構造や反射した表面形状などで変わるので、対象物への偏光の状況を見極めることによって物理量の測定、可視化への応用もできます。

偏光に高速度イメージングの技術が組み合わさることで、画像によって工具にかかる負荷の検討など従来では困難な画像計測ができるようになりました。

偏光ハイスピードカメラの導入事例

被削材内部応力の可視化による切削現象の解析

二次元切削加工現象は、これまでも理論的・解析的・実験的な検証が行われてきました。しかし実際の加工の場合は動的な変化が起こり、とくにガラス加工時のクラックの発生は突発的な現象です。このような加工の状態を測定するためには、工具動力計が最もメジャーな計測でしょう。ただこの方法は刃物台や被削材の固定台、工作機器の間に設置する必要があり、加工抵抗を測定するものです。しかし一つ一つの切れ刃・砥粒がどのように応力を起こしているのか、被削材を加工しているのかは判断できません。

とくにダイヤモンド電着砥石を使用したガラス加工においての加工条件に関しては、試行錯誤しながら最適な方法を見つけているケースがほとんどでしょう。その主な要因が工具動力計の計測がいつ・どの砥粒・どのように欠損を発生させているかもわからず、また偶発的に発生する現象だからです。偏光ハイスピードカメラを用いた応力測定手法であれば、工具の表面にある多数の砥粒の中から砥粒がどう加工しているかをオンマシンで計測することが出来ました。またトリガ入力・出力機能を活用することで、超音波帯域による加工現象の動機撮影にも成功しています。

塗布・乾燥過程における構造変化の高速光学特性計測

複屈折と配向角が同じタイミングで高速かつ二次元画像として撮影する方法を模索していました。たとえば高分子流体の二次元の流れ馬に関する流動複屈折観察法はありますが、数十年前に開発されたスキルで、強い複屈折を表す流体と光路長の流路が必要となり、測定が難しいケースも。

偏光ハイスピードカメラを活用することによって、マイクロチャンネルの中の粘弾性流体の流動複屈折分布が非常に簡単に測定できるようになったそうです。またマイクロPIVとの併用によって、速度場と応力場を同じタイミングでの測定も可能に。従来の点計測による複屈折では把握しにくかったテクスチャ形成や乾燥線進行による複屈折の変化も確認できるようになりました。その結果、複雑流体の薄膜乾燥において、新たな視点を得られたでしょう。

ガラスの亀裂進展メカニズム解明

電子機器などで用いられるガラス基板は、基本的に割断法で要望に合った形状に分割されるケースがほとんどです。しかし機器の小型化や薄型化が進むことで、破断面の品質アップが必要となりました。また割断されたガラスの破面状況は、亀裂の進展挙動に依存しており、亀裂進展挙動がガラスの応力場で決まってしまいます。つまり偏光計測法で亀裂進展時の応力場を知ることが出来れば、割断面の品質も予想できるでしょう。

そこで偏光ハイスピードカメラは、割断の際の応力場を可視化する方法として有効と考えました。高い時間の分解能を活かし、破断面不良をリアルタイムに把握しやすくなり、ガラス基板の製造や加工工程などに役立つと言えます。

透明材料の「内部応力」と「配向構造」を可視化

プラスチックの融液である高分子流体は、流動による高分子の配向が非常に変わりやすく、成形品の品質は高分子の配向状態の影響を受けやすいものです。流動で発生する高分子の配向メカニズムを把握することは、非常に化学的にも大切なことでした。そのため流動複屈折測定に関しては、有力な手法が用いられるように。しかしリアルタイム計測かつ2次元計測による複屈折と配向情報を取得することは、技術的にも難しい状態でした。

偏光ハイスピードカメラでは流動複屈折場を示しており、技術的な課題も解決できています。光源と偏光ハイスピードカメラの間にサンプルを置くことで簡単に測定することができ、複屈折分布より応力場の評価をすることも可能なため、複屈折測定のレベルを下げた画期的な装置と言えるでしょう。その結果、これからも数多くの検査などで用いられ、より多くの情報を把握できるようになると推測されています。

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