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製造ラインへのハイスピードカメラ導入事例

このページでは、製造ラインへハイスピードカメラを導入することで得られるメリットや、実際に製造ラインへハイスピードカメラを導入した事例などを解説しています。ハイスピードカメラを導入する際の参考にしてください。

ハイスピードカメラで解決できること

製造ラインへハイスピードカメラを導入することで、リアルタイムで製造ラインの状況を把握し、トラブルが発生した際には原因の分析を行うこともできます。

例えば、スーパースローモーション動画によって、高速で稼働する産業機械の細部を確認したり、問題箇所を発見したりすることができます。また、高速画像処理アルゴリズムなどを併用すれば、通常とは異なる状態を自動的に検知して、その前後の瞬間をハイスピードカメラで撮影するといったことも可能です。

導入・活用事例

パーツフィーダの搬送×PhotoCam Detector

※引用元:フォトロンYouTube
(https://youtu.be/HfSYOK0yVGM)

製造ラインにおいてパーツフィーダによる部品の自動搬送を行うポイントに、ハイスピードカメラを導入して小型部品が搬送される際の異常を検知している事例です。

ライン上に異物が侵入したり、搬送中の小型部品が不自然に跳びはねたりした際に、ハイスピードカメラで撮影して分析することで製造ラインのトラブルを正確に把握できるようになります。また、判明した原因に応じて今後のリスク管理を検討できることも重要でしょう。

チップコンデンサの搬送×PhotoCam Detector

※引用元:フォトロンYouTube
(https://youtu.be/Uf9tqqoKXP8)

チップコンデンサの搬送ラインにおいて、ハイスピードカメラを導入することで吸着時のトラブルの有無を検証した事例です。

チップコンデンサの吸着ミスが発生したタイミングで自動的にハイスピードカメラが撮影を保存し、その前後の状況を正確に記録します。吸着ミスの発見にはモーションサーチを活用して、通常の動作とは異なる反応が発生した際に、その差違を撮影のきっかけにすることが可能です。また状況分析によるリスクの解析も行えます。

ドリルのブレ量解析×PhotoCam Detector

※引用元:フォトロンYouTube
(https://youtu.be/6aLgY-yBBDc)

機械加工装置としてドリルを利用している製造ラインにおいて、ハイスピードカメラを導入することでドリルの振動量やブレ量の解析に活用した導入事例です。

高速で回転するドリルが本来に定められている場所からずれてしまい、正確な穴あけ加工を行えない可能性や問題について検証します。検出方法としてはドリルの振動量を数値化し、指定量を超えてブレが発生した際に、それをイベントとして検知し、カメラによる撮影・記録をスタートさせます。

溶接のビード幅解析×PhotoCam Detector

※引用元:フォトロンYouTube
(https://youtu.be/eoteFTdMbvk)

製造ラインにおける溶接作業に関して、溶接ポイントの位置や溶接幅(ビード幅)を数値化して、規定値の範囲を上回ったり下回ったりした場合にイベントとして検知し、ハイスピードカメラによる映像記録を行った事例です。

ビード幅が大きすぎる場合、溶接速度が遅かったり温度が高すぎたりする可能性があり、ビード幅が狭すぎる場合は溶接品質が低下している可能性があります。ハイスピードカメラによる多角的な情報分析を行えます。

生産現場×SpeederV2

※引用元:フォトロンYouTube
(https://youtu.be/BWxEgEc36JI)

生産現場の製造ラインにおいて、様々なトラブルの原因や状況をスーパースローモーション撮影が可能なハイスピードカメラを導入して撮影・分析している事例です。

トラブルはいつどのタイミングで発生するか分からないものであり、長時間のスーパースローモーション撮影によって不定期に発生する問題の撮影チャンスを逃さずに記録できる可能性が高まります。また、高速撮影を行うことで、人の目に見えない速度の製造工程も可視化できます。

生産ラインで利用できるハイスピードカメラ

PhotoCam Detector

超高速画像処理アルゴリズムでイベントを検知

PhotoCam Detectorには毎秒1,000コマ処理が可能な超高速画像処理アルゴリズムが搭載されており、いつもと違う動きを検知できます。また、設備からの信号入力やタイマーによる定期撮影との併用も可能。設備の状態監視を行いながらイベント発生前後をスローモーション動画で自動的に記録するため、問題発生のプロセスをその場で確認できます。

イベントが検知されるとメールで送信され、ネットワークサーバーにも動画を自動で保存。そのため、離れた場所からでも状況をすぐに確認でき、問題の共有や複数人での検証にも有効です。イベント発生前後を見える化することにより不具合の原因の早期究明を叶えられ、生産現場の改善に役立てられます。

動画データや各種センサーの波形情報を蓄積

PhotoCam Detectorを設備信号やデータレコーダーと連携することで、膨大な量のOK/NG動画を撮りためられます。また、オプションのデータロガーと併用することにより、映像からのイベント検知とあわせて音や温度、電流、電圧などの各種センサー数値から取得した波形情報を同期・表示することも可能です。

これらの情報を蓄積することで、トラブルのトレンド分析や問題発生条件の比較、分類などが容易に行えます。また、多角的に現象を解析できるほか、AI・ビックデータ解析ソリューションの基礎データとしても活用できるのが特徴です。

多種多様なイベントを検知できる

PhotoCam Detectorには、さまざまなアプリケーションにおけるイベント検知が可能な高速画像処理アルゴリズムが搭載されています。

PhotoCam Detectorに搭載されている高速画像処理アルゴリズムの種類は、「モーションサーチ」「ラインプロファイル」「エリア輝度平均」「ライン幅」「ライントラッキング」の5つ。たとえばモーションサーチでは、自動機の異常停止の検出や設備の動作周期の異常を検知できます。これらのアルゴリズムを使用するのに難しいプログラミングは必要なく、簡単に高度な画像処理が可能です。

誰でも使いやすい簡単な操作性

PhotoCam Detectorは小型カメラユニットとノートPCという構成をしており、配線不要なので古い既存設備にも手軽に設置できます。各種イベント検知設定をマウス操作のみで行えるほか、オプションのデジタルI/Oやデータロンガーも簡単に最適設定が可能。難しい操作や専門知識は必要ないため、誰でも使いやすいシステムです。

SpeederV2

製造プロセスを見える化

SpeederV2は、製造プロセスの可視化を目的に最適設計された生産現場向けのハイスピードカメラです。

2,000コマ/秒、1/160,000秒の処理能力を持ったグローバルシャッターを搭載しており、搬送やプレス、かしめ、巻線、溶接、ロボットによるピック&プレースなど、あらゆる装置や製造プロセスを可視化できます。分解解像度を10,000コマ/秒までスピードアップすることで、切削などの超高速現象も捉えることが可能です。

自由度の高い設置&ハイスピードシンクロ撮影を実現

SpeederV2のカメラヘッドは超小型・軽量仕様のため、生産装置の隙間やレーザー加工機などの装置の中などあらゆる場所に設置できます。また、最大10mのロングケーブルと組み合わせることで、より自由度の高い設置を叶えられます。

オプションで増設カメラヘッドを追加することにより、2カメラによるハイスピードシンクロ撮影も可能。異なるアングルをはじめ、拡大部位と全体、リンクして作動している機構などを同時に撮影・観察でき、より詳しい解析を可能にしています。メインユニットは1つなので複雑な配線の必要がなく、ケーブル1本でハイスピードシンクロ撮影を行えるのが強みです。

長時間録画が可能

SpeederV2は数十分・数時間単位で録画ができ、トリガーを使ったジャストタイミングでの撮影が難しい生産設備の撮影・解析に有効です。停止時点からさかのぼれるエンドレス録画機能や長時間録画中のマーキング機能なども搭載されており、工場用監視カメラのような使い方ができます。

持ち運びに便利な可搬型オールインワンパッケージ

SpeederV2ではPCや大型の照明装置、複雑な配線が不要で、小型軽量の各パーツとタッチパネル式の液晶リモートキーパッドで構成されています。撮影に必要な機材はコロ付き専用キャリングケースに収納できるため、他拠点への持ち出しや工場内移動なども簡単に行えるのが特徴。そのため、現場利用において高い機動力を発揮できます。

付属のソフトウェアで編集・解析が可能

SpeederV2で撮影したデータは本体内SSDに保存され、キーパット上で閲覧できます。また、付属のWindows用再生・編集ソフトウェアを使えば、複数データの同期再生や拡大、コマ送り、コメント入力・編集、動画データの合成出力、ファイル変換などが可能。さらに別売の動画解析ソフトを使用することで、再生・編集ソフトウェアでのビューイングから解析モードに直接移行でき、特長ポイントの自動追尾を行えます。

そのほかにも、動画解析ソフトでは、指定ポイントの加速度・変異・速度の定量化も可能です。

ハイスピードカメラ以外でのトラブル対策

製造ラインにおけるトラブル対策としては、ハイスピードカメラを導入する以外にも、下記のような対策を行うことができます。

従業員は指定のユニフォームを着用

製造ラインで作業する従業員にユニフォームの着用を求めることで、異物の持ち込みや混入などを防ぐことができます。例えば、「ポケットがついていない」など、ユニフォームそのものに異物混入の防止対策が施されているものもありますし、専用のネットなどで作られたキャップをユニフォームとして被るようにすれば、従業員の毛髪やほこりなどの落下も防ぐことができます。

ユニフォームの着用とあわせて、製造エリアに持ち込めるものを管理することも有効です。輪ゴムやクリップをはじめ、ピアスなどの私物の持ち込みを禁止すれば、製造ラインにおける異物混入を防ぐことができます。

出入口や窓の管理

製造ラインの出入り口や窓をしっかりと管理することも重要です。虫の侵入を防ぐため、製造エリアにアプローチできる出入り口や窓は、必要がないときは厳重に閉ざすようにしましょう。また、工場の光をカットするフィルムを貼るなど、虫を誘引しない工夫を行うことも有効です。

また、万が一作業場に虫などが侵入しても、製造ラインそのものに異物混入を防ぐカバーを設置することで、ラインへの混入を防ぐことができます。出入り口や窓だけでなく、二重三重の混入対策を行うべきです。こうした設備面に加えて、ルール面でも、製造ラインで使用する物品の点数を管理したり、すべての備品に番号を記載し、使用者を把握できるようにすることなども実施してみてください。

破損しやすいものはないか

製造エリアで使用している備品に破損が発生し、その欠片などが異物混入を発生させるリスクもあります。破損の可能性がある備品としては、ペンなどのプラスチック製品や計量カップなどのガラス製品をはじめ、清掃機材なども注意が必要です。備品は、使用される頻度や経年劣化に注意して管理し、破損してしまいそうな部分がないか、常に気を付けておきたいところです。

備品に発生した破損が異物混入につながるのは、従業員が破損に気づかないためでもあります。そういった事態に備え、製造ラインに金属検出機などを導入し、備品の破損による異物混入に備えることもできます。そのほか、例えば「取れやすい部分がついている」など、使用する備品の形状に注意することも有効です。

錆びにくい金属でできた設備を選ぶ

上記に続いて、生産ラインでは錆びにくい金属が使われている設備を選ぶことも重要です。具体的には、スチールなどの錆びやすい素材を避け、錆びにくい種類のステンレス素材が使われているものを選ぶとよいでしょう。

ただしステンレスであっても、SUS430など、錆びやすい素材はあります。SUS430は安価のため入手しやすい素材ではありますが、錆が発生することで異物混入のリスクがあります。SUS430以上のステンレス素材を選びましょう。

強度が高い材質の部品を選ぶ

錆が発生しない樹脂・プラスチックの製品は、製造ラインでも多用される傾向にあります。ただし、これらの製品であっても、強度が高いものを選ばなければ、破損による異物混入のリスクがあります。樹脂・プラスチックだからといって油断せず、破損に強い強度を確保することが重要です。

同じくゴム製品も、亀裂による破損のリスクがあります。引き裂きに対する強度がある、裂けにくいゴムを採用するように注意しましょう。

色付きの部品を採用する

ここまでは、破損しにくい備品の選び方を紹介してきましたが、製造ラインにおける備品の破損を完全に無くすことは不可能と言えます。そういったリスクに備えるためには、万が一破損が発生したとしても、それを検知しやすい状況を作っておくことが重要です。

そうした点では、異物混入を目視で発見しやすいように、目立つ色が付いた備品を採用することが有効です。赤や黄色をはじめ、製造している商品の反対色などであれば、検品者が混入物を見つけやすくなるからです。

金属検出器に引っかかるゴムを採用する

樹脂やプラスチック、ゴムの製品は、製造ラインの機器にとって欠かせない素材である一方で、一般的な金属検出装置やX線検査装置では、混入を検出することが難しい素材になります。こうした素材の特性に対して、最近では、金属探知機にも反応するように特殊な加工が施されているゴム製品もあります。これは食品などの製造ラインのために、開発されているものです。

金属検出機にもしっかりと引っかかる素材を選ぶことで、製造ラインの異物混入を防ぐことができるでしょう。

セキュリティーの強化

製造ラインにおける異物混入には、非常に残念ながら、人為的な原因もあります。従業員だけでなく、誰かが意図的に製造ラインに異物を持ち込む可能性があるのです。そのため、異物を持ち込ませないためのセキュリティーの強化にも力を入れなければなりません。

防犯カメラをはじめ、製造ラインの出入り口はオートロックにする、IDチェックを行うなど、防犯対策を行いましょう。

製造ラインに入れる人数の制限

セキュリティー対策の一種としては、製造ラインに入ることを許可する人数を最小限にすることも有効です。出入りできる人間が多ければ多いほど、異物の持ち込みのリスクは高まります。従業員や取引業者はもちろん、たとえ内部のスタッフであっても、誰もが立ち入りできる環境をなくすことで、異物混入の発生の可能性を下げることができるでしょう。

さまざまなハイスピード
カメラを
扱っている会社一覧

THREE SELECTION
       
活用事例から見る!
シーン別ハイスピードカメラ3選
ハイスピードカメラを選ぶ上では、必要とするスペックや機能を把握することも大切ですが、導入後のイメージを明確にするために活用事例を参考にすることがおすすめです。ここでは、ハイスピードカメラの活用事例の多い3社とおすすめ製品を紹介します。(2021年10月1日時点)

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シナノケンシ公式HPキャプチャ
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https://plextor.jp/plexlogger/

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フォトロン公式HPキャプチャ
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